思いつくままに

思いつくままに書きつらねていたり、自作のss(小説)を上げていたりします。

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

重ねた手と手

「あなたの方が大きい」 真面目な面持ちで彼女はそう言った。 「男の僕の方が大きいのは当然じゃないかな」 僕らは今、手首の位置を合わせ、お互いの手の平を重ね合わせていた。 「むぅ、それはそうなのだけれども……。でもこうして見るとやっぱり大きいなっ…

*ほっぺぷにぷに

「ねえねえ」 私は彼の肩を叩く。 「何だ……」 振り返ろうとした彼の頬に刺さるよう、肩に置いた手の人差し指を彼の方へ向ける。 「……」 私の指で彼の頬がぷにっとなる。頬を押されたままいつにも増して仏頂面になる彼。 「……」 驚いたり慌てたり叱られたり何…

*寝顔にキス※

目が覚めた。意識するまでもなく開けた視界に真っ先に飛び込んできたのは彼の寝顔だった。 薄暗さの中見える端正な顔は目を閉じたままで、ゆっくりとした寝息がわずかに聞こえてきた。 安らかな顔。 無防備ともいえるその表情に私は思った。 彼より早く目覚…

新しいもの

「わあ、安納芋まんだって。買っていかない?」 コンビニエンスストアのレジ前にあるカウンターフーズを見た彼女は目を輝かせながらそう言った。 「君って新商品とか期間限定品とか、そういうの好きだよね。目がないというか」 彼女はカフェとかで新作の飲み…